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ピアノの基礎知識

日本や世界のピアノメーカーの歴史を調べてみた

ピアノ

ピアノは、楽器の中で最も身近な存在の楽器ですが、ピアノメーカーについて語れる人はごく僅かなのではないでしょうか。

実はピアノメーカーの歴史は、壮大で面白いんです。

日本国内には「ヤマハ」や「カワイ」などの有名ピアノメーカーが。
また世界には「世界三大ピアノブランド」と呼ばれる、世界中のピアノ演奏者たちから愛されているピアノメーカーがいくつも存在します。

どのピアノメーカーにも歴史があり、調べてみると非常に興味深いエピソードが満載。
今回は、日本国内の有名ピアノメーカーと世界で有名なピアノメーカーをいくつかピックアップし、それぞれの歴史をまとめてみました。

ピアノメーカーの歴史も知っておくと、今後、よりピアノの世界を楽しむことが出来るようになるでしょう。

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世界のピアノメーカーについて調べてみた

まずは世界のピアノメーカーについて調べてみました。

「日本のピアノメーカーの名前はすぐに挙げることが出来るけれど、世界のピアノメーカーの名前は1つも知らない」という人も多いと思います。

もちろん世界には、多くのピアノメーカーが存在。
その中でも今回は、「世界三大ピアノブランド」と呼ばれるピアノメーカーについて詳しく調べてみました。

世界的に有名なピアノメーカー

「世界三大ピアノブランド」と呼ばれているのは、下の3つのピアノメーカーです。

【STEINWAY&SONS】はアメリカのニューヨークで設立されたピアノ製造会社。
現在は、アメリカのニューヨークにアメリカ本社が、ドイツのハンブルクに欧州本社が在ります。
最高級グランドピアノ市場の、およそ80%がSTEINWAY&SONSのグランドピアノで占められており、人気と影響力が非常に高いピアノ製造会社です。

【Bosendorfer】はオーストリアのウィーンに所在するピアノ製造会社。
Bosendorferが製造するピアノの多くは、帝室や王室の御用達に選定されており、その実力が世界で広く認められているピアノです。
2008年からは「ヤマハ」の完全子会社となりました。

【C.BECHSTEIN】はドイツのベルリンで設立されたピアノ製造会社。
C.BECHSTEINのピアノは『ピアノのストラディバリウス』と称されており、その音色で多くの人を魅了してきました。
ドイツ最大のピアノ製造会社です。

日本と世界のピアノメーカーの歴史

さて、ここからは日本のピアノメーカーと世界の有名なピアノメーカーの歴史を、それぞれご紹介します。

一言にピアノメーカーと言っても、それぞれが歩んできた歴史は全く違います。
その違いを比較しながら、ぜひ最後まで読んでみてください。

日本のピアノメーカーの歴史

まずは日本のピアノメーカーの歴史をご紹介します。
日本にもいくつかピアノメーカーは存在しますが、今回はとくに有名な2社に絞りました。

ヤマハ(YAMAHA)

ヤマハ

ヤマハは、ピアノを中心にハーモニカやリコーダーなど100種類以上の楽器の製造を手掛けるピアノメーカー。
1969年にピアノの生産台数で世界一位を獲得して以来、販売額は現在までずっと首位をキープしています。

そんなヤマハの始まりは、1887年(明治30年)まで遡ります。

山葉寅楠が、静岡県浜松市の浜松尋常小学校で壊れたオルガンの修理を成功させ、その成功体験からオルガン製作を決意。
2年後の1889年に静岡県浜松市で「合資会社山葉風琴製造所」を設立。そして1897年には、現在のヤマハの前身である「日本楽器製造株式会社(ニチガク)」を設立し、初代社長に就任しました。

1900年からピアノの製造を開始し、1954年からは現在の「ヤマハ音楽教室」の前身であるオルガンの教室を開講。

そして1960年代から、エレクトーンや電子ピアノなどの電子楽器の開発・製造を始めるように。
この事業で獲得した高い技術力を生かし、ヤマハは後にAV・IT事業でも発展していくことになります。

そして山葉寅楠が壊れたオルガンの修理を成功させた日からちょうど100周年の1987年に、社名を現在の「ヤマハ」に改称しました。

ヤマハの、アコースティックピアノにおける市場のシェア率は約60%。圧倒的な競争力で、世界でも有数の大手メーカーへと成長しています。

カワイ(KAWAI)

カワイ

カワイは、元々は「日本楽器製造(現・ヤマハ)」に勤務していた河合小市の独立によって設立されたピアノメーカーです。
1927年に河合小市が日本楽器製造から独立し、「河合楽器研究所」を設立。1935年には合名会社、そして1951年には株式会社へと改組していきます。

河合小市は”庶民もピアノに親しめるように“という想いで、それまで庶民には手が出せなかったピアノに”安さと性能“を掛け合わせ、常識を覆すピアノを次々と発表。
1927年に誕生したカワイピアノ第一号からその想いは変わることなく、現代のカワイピアノまで脈々と受け継がれています。

順調に成長を遂げてきたメーカーのように思いますが、カワイは今までに一度、その歩みを止めた時期がありました。
それは第二次世界大戦が起きた時です。
カワイのピアノ工場は軍需工場となり、大勢いた技術者も戦地へ駆り出されることに。終戦直後は、とても再建できるような状態にありませんでした。

しかしピアノの製造を決して諦めなかった河合小市は、1948年にピアノ・オルガンの製造を再開することに。
その2年後には、見事「戦後初のグランドピアノ500号」が完成しました。

それからのカワイの成長は周知の通りで、1956年にはカワイ音楽教室を設立。ピアノ業界最大手メーカーであるヤマハと肩を並べるメーカーへと成長しました。

世界の有名なピアノメーカーの歴史

日本のピアノメーカーの歴史の次は、世界で有名なピアノメーカーの歴史をご紹介。

先ほどご紹介した「世界三大ピアノブランド」の3社と、そのほか世界で有名なピアノメーカー2社、計5社のピアノメーカーの歴史をご紹介していきたいと思います。

STEINWAY&SONS(スタインウェイ&サンズ)

スタインウェイ

STEINWAY&SONSは、1853年にアメリカのニューヨークで設立されたピアノメーカー。

その年に、ドイツ人ピアノ製作者である「ハインリッヒ・エンゲルハルト・シュタインヴェーク」が息子たちと共にドイツからアメリカへ移住してきたことが全ての始まりです。
ハインリッヒは元々ドイツでオルガンやピアノの製作しており、見本市で1位を獲得したこともある実力者でした。
しかしヨーロッパの情勢が不安定になり、ドイツでピアノ製作を続けることは出来ないと判断。息子たちと共にアメリカに移住し、アメリカの地にSTEINWAY&SONSを設立しました。

STEINWAY&SONSの名が最初に知れ渡ったのは、1855年のアメリカ工業博覧会に出展した「スクエアピアノ」がきっかけ。
このスクエアピアノは息子の「ヘンリーjr.」が完成させたピアノで、当時では斬新だった製造方法が評判となり、一気にSTEINWAY&SONSの名が世間に知れ渡ったのです。

その後、スクエアピアノが大ヒットしたことで資金を得たハインリッヒはグランドピアノの製作を開始。
グランドピアノの製作も軌道に乗ったころ、相次いで2人の息子を亡くし、失意のどん底に突き落とされることもあったハインリッヒですが、長男と共にピアノ製作を続けました。

STEINWAY&SONSのピアノは1862年の「ロンドン博覧会」、1867年の「パリ万国博覧会」で金賞を受賞。
世界的に名が知れ渡ることとなり、同時に多くのピアニストたちから『神々の楽器』と称賛されるまでになったのです。

Bosendorfer(ベーゼンドルファー)

ベーゼンドルファー

Bosendorferは、1828年にオーストリアのウィーンで「イグナッツ・ベーゼンドルファー」によって設立されたピアノメーカー。
この時ベーゼンドルファーは、まだ19歳の青少年でした。

Bosendorferの名が知れ渡ったのは、Bosendorfer設立から2年後の1830年。
その激しい演奏で有名だったピアニストの「フランツ・リスト」の強靭なタッチに、Bosendorferのピアノだけが耐え抜くことが出来、そのことで多くのピアニスト達から称賛を受けるようになりました。

1939年には王室からもBosendorferのピアノの素晴らしさを認められることに。ベーゼンドルファーは「宮廷及び会議所ご用達のピアノ製造者」の称号を与えられたのです。

その後、第二次世界大戦後に経営がアメリカに移ったりオーストリアに戻ったりを繰り返しましたが、2007年以降はヤマハの子会社となっています。

Bosendorferは『至福のピアニッシモ』と称される繊細で上品な音色を追求し、今もなお人々の心を惹きつけるピアノを製造し続けているのです。

C.BECHSTEIN(ベヒシュタイン)

ベヒシュタイン

C.BECHSTEINは、19世紀の半ばころドイツのベルリンで設立されたピアノメーカー。
創業者は「カール・ベヒシュタイン」で、彼は当時の最先端ピアノを製造する「プレイエル社」でピアノ造りの修行を重ねてきた男でした。

C.BECHSTEINの名が世間に広く知れ渡ったのは1857年。
フランツ・リストの弟子であり後のベルリンフィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者である「ハンス・フォン・ビューロ」がC.BECHSTEINのピアノを絶賛したことがきっかけでした。
またそのことで、師匠であるフランツ・リストもC.BECHSTEINを長く愛用するようになるなど、多くのピアニストから愛されるピアノへと成長しています。

知名度が高くなり事業も軌道に乗った1880年~1900年代までは、工場の拡大や支店設立などで規模を拡大していきます。

しかしドイツの第二次世界大戦敗戦によって経営権が連合軍に渡るなど、いくつもの困難を強いられることに。

1986年にはドイツの実業家である「カール・シュルツ」の手によって再びドイツへ戻ってくることが出来、現在では希少な『純然たるヨーロッパ製ピアノ』として世界中で広く愛されています。

Baldwin(ボールドウィン)

ボールドウィン

Baldwinは、1873年にアメリカで「ドワイト・ハミルトン・ボールドウィン」によって設立されたピアノメーカーです。

それまでアメリカのオハイオ州でピアノやオルガンの講師をしていたボールドウィンは、1862年に「デッカー・ブラザーズピアノ」の販売特約店を開始。
1866年には「Lucien Wulsin」を販売員として雇いはじめ、1873年にWulsinを共同経営者にし「D.H. Baldwin & Company」を設立しました。

このD.H. Baldwin & Companyは1890年代には、”アメリカ合衆国中西部で最大のピアノ販売業者”までに成長しています。

1890年にボールドウィンが『製造し得る限り最良のピアノを製造する』と宣言したことで、ピアノとオルガンの製造・販売も開始。
1891年にBaldwin初のピアノの、1895年にはBaldwin初のグランドピアノが販売開始されました。

その後、各国の博覧会でBaldwinのピアノは多くの金賞を受賞。
『アメリカのお気に入りのピアノ』というキャッチコピーが広く浸透するほど、アメリカ全土で愛されるピアノメーカーになりました。

Mason & Hamlin(メイソン&ハムリン)

Mason & Hamlinは、1854年にアメリカのボストンで「ヘンリー・メイソン」と「エモンズ・アムラン」によって設立。

設立当初はピアノではなくオルガンの製作を行っていました。
しかし、元々オルガン製作の工場で修行を積んできたハムリンの非凡な才能から、彼らの製造するオルガンは瞬く間に世の中で話題に。
1881年からは、その才能を生かしピアノの製造にも着手し始めます。

アメリカではいまも「STEINWAY&SONS」に次ぐ高級ピアノとして有名ですが、実は現在は「エオリアン・アメリカン・コーポレーション」に吸収され、このメーカーは消滅してしまっています。

日本や世界のピアノメーカーの歴史は長かった!

ここまで、日本や世界のピアノメーカーの歴史をご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
紹介した数が多かったため、一社の紹介が短くなってしまいましたが、それぞれ興味深い歴史を歩んできたことは伝わったと思います。

今回ご紹介したピアノメーカーの歴史で、少しでも興味を持ったものがあれば、ぜひご自身でさらに深堀してみてください。

ピアノメーカーの歩んできた歴史を知っていると、ピアノの演奏がより楽しいものになるはずです。

 

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