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ピアノは種類によってこんなに違う!
ピアノには主に「グランドピアノ」、「アップライトピアノ」、「電子ピアノ」の3種類あります。それぞれ音色やサイズ、鍵盤のタッチ感にも違いが現れます。他にも特徴やメリットがあるので、購入の際の目安にしてください。
グランドピアノの特徴
「ピアノ」といえば、真っ先にグランドピアノを思い浮かべる人も多いんじゃないでしょうか?学校の音楽室やコンサートホールで、圧倒的な存在感を醸し出しています。現役のプロピアニストとして活動している人から、プロを目指す人まで幅広い人達に使用されています。
プロの使うピアノだけあって、サイズや音が大きすぎるのがネック。一般住宅で使用するのは難しいでしょう。ただし、音の響きや鍵盤のタッチ感などは、他のピアノよりも優れています。お金に余裕があり、グランドピアノが置けるほどのスペースがあるなら圧倒的におすすめです。
音色
フェルトが付いているハンマーで弦を叩くことで音が出るグランドピアノ。アップライトピアノと比べ弦が長いため、伸びやかで重低音のある豊かな響きが出せます。音の深みやボリューム感、音色の豊かさなどが他の楽器と比べても圧倒的に優れています。
大きさ
グランドピアノはアップライトピアノと比べ、心臓部とも言える「響板」の面積が大きいのです。ピアノは弦の振動が響板に伝わり、振動することで音がでます。響板の面積が広いほど、綺麗な高音や安定した低音が出せるのです。
コンサートで使うグランドピアノになると、3メートルほどの大きさになるものも。グランドピアノのサイズが大きければ大きいほど、音の振動が伝わり良い音色が出るのです。
タッチ感
グランドピアノの鍵盤は、ハンマーを自重でもとに戻すため、早い指の動きにもスムーズに打弦することができます。連続で鍵盤を叩くことも可能。1秒間に10回前後打弦できます。
アップライトピアノと比べると、鍵盤の長さも違います。鍵盤が長いほど、弾き手のちょっとした力加減も伝わりやすくなります。音の強弱がつけやすいため、表現の幅も広がります。
アップライトピアノの特徴
グランドピアノに比べ、音は若干悪くなります。しかし、縦長なので一般住宅に最適。生産コストも抑えられており、手頃な価格で購入できます。音を気にせず弾ける環境にあるなら、初心者にピッタリなピアノと言えるでしょう。
音色
鍵盤を叩いた際、ネジの力でハンマーを戻すため、グランドピアノよりも音の響きは劣ります。しかし、グランドピアノに近い弾き心地で演奏ができるのは魅力。「生の音で演奏を楽しみたい!」という人向けです。
大きさ
アップライトピアノの最大の特徴は、グランドピアノに近い音が出せるのにコンパクトなところ。一般住宅でも設置場所に困ることがありません。
タッチ感
鍵盤のタッチ感はグランドピアノに近いのもポイント。将来的にグランドピアノで演奏する予定があるなら、感触に慣れるためにもアップライトピアノがおすすめです。
電子ピアノの特徴
録音したグランドピアノの音を、スピーカーから出す電子ピアノ。音量調整などができるため、一般住宅でも時間を気にせず楽しめます。低価格なので、コストを抑えたい人向け。録音機能や他の楽器の音も出せるため、ピアノ以外の音で演奏したい人にもおすすめです。ただし、音はグランドピアノやアップライトピアノには劣ります。購入するなら、あくまで練習用と割り切りましょう。
音色
最近の電子ピアノは、メーカーの努力によりグランドピアノにも劣らない音色や音の響きを出せるようになっています。音量の調整もできるのがポイント。ヘッドホンを使えば、外に音が漏れる心配もありません。昼夜関係なく演奏を楽しみたい人におすすめです。
大きさ
サイズがコンパクトなのも電子ピアノの魅力といえるでしょう。スペースを取らないため、一般住宅でも置き場所に困りません。電子ピアノの中には、持ち運べるほど軽いものもあります。
タッチ感
グランドピアノやアップライトピアノと違い、鍵盤のタッチ感は軽め。電子ピアノの感触に慣れると、グランドピアノを弾く際に苦労をする可能性も。もし将来的にグランドピアノへの移行を考えているなら、電子ピアノは向いていません。しかし、最近の電子ピアノはグランドピアノのタッチ感を再現しているものも出ています。電子ピアノを購入するなら、できるだけグランドピアノのタッチ感に近いものを選びましょう。
各種ピアノのメリット・デメリット比較表
グランドピアノ | アップライトピアノ | 電子ピアノ |
・本格的な演奏が楽しみたいなら断然おすすめ ・音の響きやタッチ感の良さは随一 ・広い場所や音が漏れても大丈夫な環境がある人向け ・値段が高いので長くピアノを続けられること前提 |
・置き場所に困らない本体サイズ ・生の音で練習したい初心者向け ・音の問題がクリアーできるかどうかが鍵 ・値段も手頃で購入しやすい |
・持ち運びもできるほどコンパクト ・音量を調節することができる ・ヘッドホンをつければ音漏れも気にならない ・好きな時間に練習したい人向け ・録音やメトロノームなど機能が豊富 ・ピアノ以外の音も楽しめる ・低価格で購入できる ・値段が安いため、グランドピアノやアップライトピアノの音にはかなわない ・あくまで初心者の練習用でしかない |
ピアノを置く場所を事前に確認する
ピアノの購入を考えているなら、まずは部屋の広さを確認し、ピアノを置くスペースを確保しましょう。一般住宅でグランドピアノを置くのは難しいもの。高いお金を出してかったのに、肝心の置き場所がないでは意味がありません。
また、広さだけでなく、ピアノを置く環境にあるかも重要になります。
高温多湿な場所は避ける
ピアノを長持ちさせたければ、高温多湿な場所は避けましょう。ピアノは木材でできており、湿気に弱い楽器です。ピアノに最適な室温は15~25℃、湿度は40%~70%。湿気が多すぎたり、乾燥しすぎているとすぐに調子が悪くなってしまいます。
風通しの悪い場所も要注意。カビが発生したり、虫などがでる恐れもあります。また、冬季間は窓に近い場所に置くと、ピアノ内部が結露する可能性があります。窓には近づけすぎないようにしましょう。
エアコンや床暖房など、冷房や暖房の近くに置くのもやめましょう。ピアノ内部の温度や湿度が変化し、音が狂うなど悪影響が出てしまいます。
防音対策として、カーペットやマットを敷く
防音対策をしたい人は、ピアノの足の部分にマットやカーペットを敷くのが効果的。音の振動を防いで、ピアノの響きを抑えることができます。
防音防振マットや厚手のカーペットを2~3重に敷きます。さらにピアノのキャスター部分にインシュレーターを載せてピアノの設置は完了です。
自分好みの音が出るかどうかを確認する
自分が想像しているピアノの音が出るかをしっかり確認しましょう。ピアノの音には驚くほど個体差があります。購入前には必ず試奏をして、自分好みの音がどうかの確認をしましょう。「まだピアノが弾けない」という人は、店員さんに弾いてもらいましょう。
タッチ感がグランドピアノに近いものを選ぶ
アップライトピアノや電子ピアノを選ぶ際は、鍵盤の手触りや押した感触がグランドピアノに近いものを選びましょう。特に電子ピアノの場合、鍵盤を叩いた時、自然に戻ってくるのがベスト。戻りが鈍いものは不良品の可能性があります。
おすすめのピアノ購入店
ピアノを購入するために楽器店を訪れるはず。その際、以下の点に注意しておきましょう。
- ピアノの取扱数が多い
- ピアノに詳しい店員が多く、サポートがしっかりしている
- 低価格で高品質なピアノを取り扱っている
- 購入前に試奏ができてピアノの状態をチェックできる
- 中古ピアノも取り扱っている
- メンテナスなどのアフターサービスが充実
以上の理由から、ピアノを購入するのにおすすめな店舗をご紹介します。
島村楽器
日本でもトップクラスのピアノ販売店。主にショッピングセンターに出店しており、楽器店として日本でも随一の店舗数を誇ります。ピアノの販売はもちろん、中古のピアノも買い取ってくれます。
大手楽器店だけあって、店員の楽器に対する知識もあります。店舗ではピアノの試奏も可能。ピアノの中古買取は、WEBサイトで申し込みをすることで、自宅まで出張買取に来てくれます。
ピアノのメンテナンスについても、ピアノセレクションセンターで調律、修理、クリーニングを行ってくれます。
ヤマハ
ピアノだけでなく、様々な楽器を取り扱っている大手メーカー。ヤマハミュージックでは、ヤマハ製のピアノがずらりと取り揃えています。安定した音色の出せるヤマハ製のピアノはまさに初心者向き。公式に中古のピアノを買い取り、修理した後に販売もしています。安くて質のいいピアノが欲しい人にもピッタリです。
世界に名だたる大手ブランドのヤマハだけあって、グランドピアノからアップライトピアノ、電子ピアノまで幅広く取り揃えています。店員の接客もよく、知識も豊富なので初心者でも安心。ヤマハピアノサービスでは、ピアノの調律、修理、クリーニングから、中古ピアノの買い取り、販売を行っています。
河合楽器製作所
数あるピアノメーカーの中でも、ヤマハと二分する大手メーカーといえば「カワイ」。そんなカワイのショールームには、高品質なピアノがずらりと取り揃えられています。ピアノの違いや特徴など、購入時のアドバイスをしてくれるだけでなく、購入後のメンテナンス等サポート体制もしっかりとしています。
各店舗ではピアノの試奏が可能。カワイのピアノを購入するならうってつけです。WEBサイトで会員登録することで、調律などのメンテナンスが受けられます。
購入後のメンテナンス方法
ピアノは購入後、しっかりとメンテナンスをしなければすぐに音色などに悪影響が出てしまいます。そこで、グランドピアノ、アップライトピアノ、電子ピアノのメンテナンスついて解説します。
グランドピアノ・アップライトピアノ
グランドピアノ、アップライトピアノは調律が必要になります。よほどピアノの扱いに慣れているなら自分でできるかもしれませんが、初心者が自分で調律するのはまず無理です。基本的に調律は、専門の調律師にお願いすることになります。
調律にはおよそ1万円ほどかかります。その他、ハンマーや鍵盤の調整、部品の交換や修理などが必要な場合、別途料金がかかります。
メンテナンスは1年に1回程度。調律とピアノ内部の掃除が必要になります。長くピアノを使いたいのであれば、メンテナンスはしっかりと行いましょう。
電子ピアノ
電子ピアノに関しては、基本的にメンテナンスは必要ありません。汚れたら乾いた布などで掃除するだけで十分。もし壊れた場合は、楽器店などに修理に出してください。故障箇所にもよりますが、1万円~2万円ほどで修理が可能です。
自分の環境に合わせたピアノ選びをしよう
趣味としてピアノを長く続けられるか?部屋の広さはどれくらいか?音が漏れたら迷惑がかかるか?これらのことを考慮して、自分の環境にピッタリなピアノを選びましょう。
本格的にピアノの演奏がしたい。部屋が広くて音漏れの心配もない、という人は断然グランドピアノがおすすめ。
一軒家で部屋の広さはそれなり。音が漏れても近所に迷惑にならない、というならアップライトピアノが良いでしょう。
賃貸で音漏れは周りに迷惑をかける。それでも好きな時間に演奏を楽しみたい。ピアノを長く続けられるか分からない。という人は、まずお手頃な価格の電子ピアノを購入して、様子を見てみるのもいいでしょう。
どんな環境でも、ピアノを楽しむことは可能です。「部屋が狭いから」、「音が漏れたら迷惑になるから」と諦める必要はありません。
ピアノを趣味にして、毎日の生活を豊かなものにしてください!