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プロのアーティストが歌うときに声を揺らすビブラート、きっと誰もが一度は憧れたことがあるでしょう。
歌がうまいかどうかの一つの指標が「ビブラートが出来るかどうか」と言っても過言ではないかもしれません…
しかし、ビブラートは「なぜか知らないけど出来るようになった」という人も稀にいますが、ほとんどの人は意識的にやろうとしてもなかなか出来るものではありません。
曲に乗せてビブラートをかけるには、きちんと練習をする必要があります。
目次
ビブラートのかけ方を学ぶ前に、ぜひ知っておいてほしいことがあります。
それは「上手いビブラートの条件」です。
せっかくこれからビブラートを習得するのであれば、下手なビブラートではなく”上手いビブラート”の方を習得しましょう。
ビブラートのかけ方を学ぶ前にぜひ知っておいてほしい、「上手いビブラートの条件」。
ビブラートとは、簡単に言うと歌唱中に声を揺らす歌唱テクニックです。
上手いと言われるビブラートの条件は、「声の揺れ幅や、スピードが一定。なおかつ途中で途切れることがないビブラート」です。
幼い頃、宇宙人のモノマネで「ワレワレハ、ウチュウジンダ~」と声を揺らした経験が、誰にでも一度はあると思います。
宇宙人のモノマネは簡単に出来ますが、歌唱中に”揺れ幅やスピードを一定にして”声を揺らすことは難しいものです。
実際に試してみると分かると思うのですが、ビブラートをかけるには腹筋をかなり使用し、体力を消耗します。
歌手がビブラートをかけているのを聞くと簡単そうに思えるのですが、上手いビブラートをかけるには練習が必要となってくるのです。
ビブラートの練習をするためにはまず何をすれば声が揺れるのかという理屈を知る必要があります。
そのため、曲に乗せてビブラートをかけようとする前に自分の声だけで揺れる感覚を掴んでみることが重要です。
ます、ビブラートをかけるといっても、実は声の揺らし方には「横隔膜をコントロールする方法」と「喉をコントロールする方法」の2種類があります。
最もポピュラーな方法が横隔膜をコントロールする方法です。
横隔膜をコントロールして声の強弱を変えることでビブラートをかける方法を、よく犬が出すような「ハッハッハッ」という声に例えてドギーブレスなんて呼ばれたりします。
そのため、練習方法も犬の真似をして「ハッハッハッ」と声に出してみましょう。
あるいは、「あ~」と声に出しながら自分の手でお腹を押してみてもいいでしょう。
横隔膜をコントロールする感覚がつかめるはずです。
横隔膜をコントロールすると「声の強弱」で声を揺らすことが出来ますが、小刻みに音程を変えることで声を揺らすことも出来ます。
半音上げるとか一音上げるとか余計なことは考えなくていいです。
「あ~」と声に出してみて、今出している声の音程よりも上げたり下げてみたりしてください。
そしてその音程を変えるスピードを速くしてみましょう。
声が揺れる感覚が分かるはずです。
まさしくこれが喉でビブラートをかけるということです。
上で紹介した「横隔膜でコントロールする方法」と「喉で揺らす方法」を曲なしでやってみて、実際に声が揺れる感覚を体感したら次は実際に曲に乗せて声を揺らしてみましょう。
多分始めのウチは曲がかかるとビブラートをかけるのが難しいはずです。
それもそのはず、曲なしでビブラートをかける練習をしていたときは「声を揺らす」ことだけに集中していればよかったのですが、曲が加わるだけで「音程を合わせること」「曲の進行にリズムを合わせること」など、いくつも気を配らなければならない点が出てくるからです。
そのため、曲に合わせて自然にビブラートをかけるようになるためには繰り返し練習をすることが不可欠です。
「横隔膜で揺らす」「喉で揺らす」の2つが一般的なビブラートのかけ方ですが、実はもう一つおすすめの方法があります。
こちらの方法は好みが分かれるので、興味がある人は一度チャレンジしてみてください。
ビブラートのかけ方で、もう一つおすすめなのが「口でかける」方法です。
この口でかける方法は、喉で揺らす方法と混同されがちですが、こちらの場合は口の開閉でビブラートをかけます。
「あ~う~あ~う~」と口を軽く開けたり閉じたり。口の力を抜き、リラックスして発音することが上手くビブラートをかけるコツです。
最初は難しく感じるかもしれませんが、この方法をマスターすると、歌唱中にとても自然にビブラートをかけられるようになります。
実際のところ、こういった記事を見て「横隔膜をコントロールする」「喉をコントロールする」などと言われても、恐らくカラオケなどに行ってビブラートを完全習得できる人は少ないと思います。
僕も昔はビブラートのかけかたを調べて自分で実践してみましたが、理屈は分かっていても曲に合わせて自然にビブラートをかけることが出来ないんです。
そう、「曲に乗せずに声を揺らす」のと「曲に乗せて自然にビブラートをかける」のには信じられないほど大きな壁があるのです。
ちなみに僕がビブラートをきちんと習得できたのはボイストレーニングスクールの体験レッスンを受けてからです。
正直に言って、ネットでビブラートのかけ方を調べて自宅やカラオケでちまちま練習をしているより、一度しっかりプロのトレーナーから指導を受けた方がはるかに早く習得出来ます。
個人差はあるので一概には言えませんが、僕のように体験レッスンだけで習得できてしまう人もいます。
スクールに通い続けるお金がないという人でもまずは無料体験レッスンだけでも受けてみましょう。
そして最後に、ビブラートを練習していくうえで、定期的に行ってほしいのがこの「ビブラートのかけ方がうまい人の歌声を聞く」です。
いくらビブラートの練習を頑張っても、実際の”上手いビブラート”を知らなければ、自分のビブラートがどうなのか判断も出来ません。
定期的に上手いビブラートを聞き、自分のビブラートと比較し参考にしていきましょう。
ビブラートのかけ方がうまい人、一人目はシンガーソングライターのAIさんです。
ハスキーな声が特徴的なAIさん。
明るくポップな曲でも落ち着いたバラード系の曲でも、随所で彼女のビブラートを聞くことが出来ます。
ですから、AIさんの曲であればどの曲を聞いても、ビブラートの参考になることでしょう。
実力派シンガーとして紅白術上経験もあり、それゆえ彼女の曲は歌いこなすのが困難。
そんな中で、彼女の代表曲でもある『Story』は素人でも歌いやすい曲だと言われているので、カラオケの練習曲としてもおすすめです。
ちなみに『Story』はカラオケレッスンの授業でもよく使用される曲で、『Story』を歌いこなせるようになれば、かなりの実力がつきます。
ビブラートのかけ方がうまい人、二人目はダンス&ボーカルグループ「DA PUMP」のメンバーのISSAさんです。
去年、ダサカッコイイで大流行した『U.S.A』の、とくにダンスの印象が強いISSAさんですが、彼の歌唱力はかなりのもの。
デビュー当時から現在まで、芸能界随一の歌唱力として高い評価を受けています。
そんなISSAさんの歌声は、ナチュラルなビブラートがとても魅力的。
ナチュラルなビブラートを目指している人には、ぜひ参考にしていただきたいアーティストです。
また、激しいダンスを踊りながら歌ってもブレることない声の軸や、安定感もぜひ歌う際にしてほしいポイントです。
ビブラートのかけ方がうまい人、三人目はシンガーソングライターの久保田利伸さんです。
久保田利伸さんはR&B、ソウル、ヒップホップなど、どのジャンルでも歌いこなせる、圧倒的な歌唱力を持つシンガーソングライター。
プロの歌手の中にも彼のファンは多く、プロ・アマ問わず、彼の歌唱テクニックを参考にしている人は多いです。
久保田利伸さんはとくにビブラートのかけ方が上手く、ビブラートによって、その曲の表現や抑揚の全てを表現することも。
そんな彼の曲はどれも、ビブラートの練習の際には参考になりますが、中でも『Missing』をおすすめしたいと思います。
ビブラートのかけ方がうまい人、四人目は女性シンガーの小柳ゆきさんです。
小柄な体から発せられる、圧倒的にパワフルな声量。
とくにビブラートの伸び方は鳥肌もので、聞く人の心を大きく揺さぶる歌声を持つ女性シンガーです。
小柳ゆきさんのビブラートは、彼女のデビュー曲であり代表曲でもある『あなたのキスを数えましょう 〜You were mine〜』で堪能することが可能。
しかし、新曲を発表するたびに彼女の歌唱力には磨きがかかっていくので、ぜひ近年の曲も参考にしてみてください。
ビブラートのかけ方がうまい人、五人目はロックバンド「安全地帯」のボーカル・玉置浩二さんです。
某テレビ番組の企画『音楽のプロ200人が選ぶ本当に歌が上手いランキング』でも堂々の1位に輝いた玉置浩二さん。
並外れた歌唱力を持つ玉置浩二さんは、「生歌とCD音源の違いが全くない」と言われるほど。
ビブラートのかけ方はもちろんですが、彼の作った曲からも分かる通り、玉置浩二さんはずば抜けた音楽センスを持っています。
そのセンスを遺憾なく発揮している「安全地帯」の曲は、ビブラートのかけ方の勉強をする際にも、大いに参考になります。
ビブラートのかけ方について解説してきましたが、いかがでしたか?
ビブラートは、かけ方を学ぶことで確実に習得出来ます。
一見ハードルが高そうなビブラートですが、習得出来れば一生もの。
ビブラートをかけられるようになると、歌唱力は飛躍的にアップします。
カラオケくらいでしか歌わないという人も、マスターしておいて損はないテクニックです。
ぜひこの機会に、ビブラート習得にチャレンジしてみてください。