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ボイトレに腹筋は必要?歌唱力に影響する筋トレを解説!

kintore

歌を上手く歌うのには、”腹筋が必要だ!”と言われがちですが、それって本当かどうかご存知ですか?
”筋トレやれば歌が上手くなる!”これも言われがちですが、それって本当かどうかご存知ですか?

今回は、ボーカルとドラムを両方でライブ・サポートを行ってきたので、ドラム経歴のなかでもちろん筋トレを行った編集部員であるJOEが、本当に腹筋を鍛えたり、それ以外の筋トレがボイトレに必要かどうかを解説します。

オリエンタスナビ

ボイトレに腹筋・筋トレが必要でないことはない

「腹筋 素材 フリー」の画像検索結果

いきなりあいまいな答えで申し訳ありませんが、ネットで調べると、『ボイトレに腹筋なんてやる必要性ない!』『いや、やっぱりボイトレの中に腹筋を意識するべきだ!』両方の意見が出てきます。

結論から言うとほんとうに

ボイトレに腹筋・筋トレが必要でないことはない

が答えになります。

何故こんなに曖昧な答えになるかというと、ネット上での記事を見て、腹筋を鍛えれば必ず歌が上手くなると信じ込んでいる人が多いからです。ネットで書かれている記事は正か否かで書かれているパターンが多く、腹筋がどう影響しているのかを理解していないからです。
決して、腹筋だけを鍛えて歌が上手くなるということは実際はありません。ただ、上手くなる為の要素として腹筋も含まれていることは事実です。そこを勘違いするといつまでたっても歌がうまくならず、最後はシックスパックになっているだけのただのムキムキの人になるだけです(それはそれで良いかもしれませんが)。

次に、腹筋が歌うことの何に影響するのかを解説します。

”腹筋”は歌うことの何に影響する?

  1. 発生に必要な身体のバランス調整
    歌が上手い人は、その発生に必要な身体のバランスが整っています。思い通りの声が出せるようになるには、そのバランスを腹筋や腰回りの筋肉で調整する必要があります。ただし、良い声ではなく、声量や音域が広がることに繋がっていきますし、ブレスコントロールも行いやすくなります。
  2. 腹式での発生に有利
    そもそも歌は喉で歌うのではなく、お腹で歌います。胸式呼吸ではなく、腹式呼吸が鉄則。腹式での発生は、肺の下にある横隔膜を下げた状態をキープする必要性があり、腹筋がないと横隔膜の上下運動が効率よく行えないため、結果として腹筋はおのずと必要だと言えます。
  3. 歌う為の本当に必要な筋肉に負荷をかけない
    思い通りの声が出ない人や、声量があまり大きくない、音域が狭い人はついつい喉で歌いがちになります。それは結果として喉を傷めてしまう原因となります。朝までカラオケを歌って、次の日に声がガラガラになったなんて経験誰しもがあるのではないでしょうか?腹筋・腰周りの筋肉が発達していると、本当に歌うのに必要な腹筋を使う事ができたり、肩に変な力が入ったり首周りの筋肉を酷使せず喉をしめずに歌う事ができるので、プロの歌手は2時間のライブとかでも連日ツアーを行えたりするのです。

”筋トレ”は歌うことの何に影響する?

腹筋以外の筋トレは歌う事に対して、どう良い影響があるかを紹介します。

  1. 基礎体力
    歌う事はかなりカロリーを消費します。それだけ、体力が必要であるということになります。単純に筋トレを行うと、基礎体力がつきますので、長時間歌い続けることができるようになります。
  2. 立って歌い続けられる
    基本的にボイトレは立って行いまよね?立って歌う事に対してはかなり筋力が必要になりますし、その姿勢をキープしてフラフラせずに歌い続けることができ、発声がスムーズになります。筋トレだけではなく、体幹トレーニングも効果的です

歌う事に必要な”腹筋”?

今まで解説してきた”腹筋”はいわゆるシックスパックの腹筋ではありません

シックスパックに必要なのは『腹直筋』

ボイトレに必要なのは『腹斜筋』

筋トレで鍛えるとすれば、この『腹斜筋』を鍛えなければなりません。いわゆる腹筋運動を毎日行っても意味はそこまでありません。

腹斜筋について

腹斜筋は、腹直筋の横から下に位置しています。ここが吐く息に使用する筋肉です(腹横筋も作用しています)。また、腹斜筋には「外腹斜筋」と「内腹斜筋」があり、筋繊維の向きが逆なために一方が弛緩しているときは一方が収縮し、というように一つのトレーニングだけでは鍛えられないのが腹斜筋です。

腹斜筋

腹斜筋の鍛え方

  • バイシクルクランチ(内腹斜筋に効きやすい)
    仰向けの状態から開始
    →膝を90度に曲げて、軽く持ち上げていく
    →頭の後ろに手を構え、少しだけ頭も浮かせる
    →へそをのぞき込むようにポージング
    →左手の肘と右足の膝をくっつけるように動かす
    →元の状態に戻していく
    →逆も同様に動かす
    ※全ての動作をゆっくりと行うのがコツ

「バイシクルクランチ」の画像検索結果

  • サイドエルボーブリッジ(外腹斜筋に効きやすい)
    ヒザを伸ばし、身体を一直線状にして横向きに寝る姿勢から開始
    →ヒジを肩の真下について、身体が一直線になるように腰を持ち上げる
    →頭から足先まで一直線の状態になったら、上側にある腕を真っ直ぐに上に伸ばして胸を張る
    →姿勢を維持して、30秒間キープ
    →45秒間休んで今度は逆向きで行う

「サイドエルボーブリッジ」の画像検索結果

  • サイドクランチ(内腹斜筋を集中的に鍛える)
    仰向けの状態から開始
    →ヒザを曲げる
    →上側の手は、頭の後ろに添えて胴体は真っ直ぐに保つ
    →横になったままゆっくりと状態を起こしていく
    →さらにおへそを覗き込むように起こす
    →限界まで上げたら、3秒間停止する
    →ゆっくり戻す

  • ヘビー・サイドブリッジ(外腹斜筋を集中的に鍛える)
    2のサイドエルボーブリッジに1動作を加えることで、更に外腹斜筋を鍛えます
    ヒザを伸ばし、身体を一直線状にして横向きに寝る姿勢から開始
    →ヒジを肩の真下について、身体が一直線になるように腰を持ち上げる
    →頭から足先まで一直線の状態になったら、上側にある腕を真っ直ぐに上に伸ばして胸を張る
    →上側にある足を肩の位置まで上げる
    →姿勢を維持して、30秒間キープ
    →45秒間休んで今度は逆向きで行う

実質的に歌唱力を上げるには

実質的に歌唱力を上げる為には筋トレだけではダメです。次の要素を取り入れながら筋トレも行いながら歌唱力を伸ばしていきましょう!

毎日歌う事が重要

毎日歌う事で、”発生に必要な筋肉”が鍛えられます。これは首周りの筋肉なのですが、通常の筋トレではもちろん鍛えることができず、歌う事でのみ鍛えることができますので、やはり基本は毎日歌う事!これにつきます。

”声帯を鍛える!”といううたい文句を目にしますが、声帯は鍛えられませんので、だまされないようにしましょう!

やっぱりボイトレにつきる

筋トレでは歌唱力は上がりません!というのは解説しました。でなければ、世の中のボディービルダーさんたちは全員歌が上手いということになってしまいますから。

  • 純粋に発生練習などの基礎を繰り返す
  • 初心者、特に女性は腹式呼吸は常に意識
  • プロのボイストレーナーに指導を受ける

『録音して聴く→修正する』を繰り返す

録音した自分の歌声を聴くことで修正点が見つかります。そしてそのポイントを修正し、また録音し、修正と繰り返します。自分の声を自分で聴くことはあまりなく、自分のクセなど気付いていない人がほとんどです。これで改善点を見つけることができます。単純ですが、自分の状態を知ることが成長への近道となります。

日々のトレーニング

ボイトレ教室に通うのは平均しても月2~3回ぐらいかと思います。それだけの練習では微々たる上達しかできず、むしろ成長が感じられず通うのをやめてしまうかもしれません。そんな勿体ないことは避けてほしいので、必ず日々のトレーニングを実施しましょう。

また1回の練習時間は15~30分と短い時間で集中して行います。長時間しすぎると喉や声を傷める原因となりますので注意しましょう。短い時間で数セット繰り返して、間もしっかりと休憩を挟みながら行うのが効果も出ますし喉を傷めません。