目次
ギターピックの選び方
ギターピックの選び方を「形状」「素材」「厚み」の3つのポイントから解説します。
形状で選ぶ
ギターピックの形状に統一規格はなく、世の中には数えきれないほどの種類があります。ここでは代表的なピックの形状を4つ紹介して、それぞれどんなプレイスタイルに向いているのか解説します。
ティアドロップ:万能の基本的なピック
出典:サウンドハウス
初心者ギターセットなどに必ず入っている、最もスタンダードな形状です。涙のような形が名前の由来。
ストローク、単音弾きどちらにも使いやすく、使い手を選ばない使いやすさで万人に好まれます。楽器屋さんやスタジオなどどこにでも置いてあるので、無くしてもすぐに入手しやすいのもメリット。
トライアングル:ストロークやカッティングに最適
出典:サウンドハウス
正三角形に少し丸みを持たせたような形状で、おにぎりピックとも呼ばれます。先端の角度が広く、弦の引っかかりが少ないためスムーズなストロークが可能。アコギのストロークプレイや、カッティングプレイがしやすくおすすめです。3つの角を使えるので、3倍長持ちするのもうれしいポイントですね。
JAZZタイプ:ソロプレイが弾きやすい
出典:サウンドハウス
ティアドロップの先端をさらに鋭角にして、サイズも一回り小さくしたピックです。弦との摩擦が少ないのでテクニカルなプレイで使いやすく、ジャズプレイヤーが好んで使ったのが名前の由来です。ジャズだけでなくメタルやロックといった速弾きプレイヤーにもおすすめ。
サムピック:フィンガーピック用の特殊ピック
出典:サウンドハウス
指を使って演奏するフィンガーピッキングの際に使う特殊なピックで、親指に装着して使います。親指の爪を伸ばさなくても、はっきりとしたベース音を出すことができるのがメリット。フィンガーピッキングとストロークを瞬時に切り替えるなど、幅広いプレイをすることもできます。
素材で選ぶ
素材に関しても決まりはなく、新素材もどんどん登場しているためここでは比較的スタンダードな物を紹介します。
セルロイド:スタンダードな基本素材
出典:サウンドハウス
昔からよく使われている超スタンダード素材です。クセのない使いやすさで、音色も標準的と言っていいでしょう。耐摩耗性が低いのですぐ削れてしまいますが、価格が安いので大量に買いだめするのもいいですね。
ナイロン:硬めな使い心地
出典:サウンドハウス
摩擦に強い特性をもつ、柔らかめな素材です。現にピックが当たった瞬間のアタック音がマイルドで、アコースティックギターなどで好んで使われます。滑りやすい素材なので、表面に滑り止め加工してあるピックが使いやすいでしょう。
ウルテム:人の爪に近い新素材
出典:サウンドハウス
比較的新しい新素材で、人間の爪に近いと言われています。適度な弾力性で各弦の鳴りがよく、クリーントーンで綺麗な音色が狙えます。価格は少し高めですが、摩擦に強いので、結果的にコスパのいい素材ですね。
べっ甲:根強い人気の高級素材
出典:サウンドハウス
亀の甲羅から作り出した高級素材で、根強いファンが多いピックです。ツヤのある音色とよく表現され、アコギやビンテージギターと相性がいいと言われます。しなりがよく、音の強弱をつけやすいので上級者が好んで使うことも多いですね。
厚みで選ぶ
厚みは大きく分けると4種類に分かれます。0.1㎜刻みで違う厚みがあるため、色々と試してみてしっくりくるものを選びましょう。
Thin(0.5mm以下):アコギのストロークプレイにおすすめ
出典:サウンドハウス
手で持って簡単にしなるくらいの薄さで、明るく軽い音色が出ます。アコギのストロークプレイなどでよく使われます。アタック音が弱く、音量も小さいため、ロック系で使われることはほとんどありません。しなりが大きいのでソロプレイにも不向きです。
Medium(0.6mm〜0.8mm):幅広いプレイに対応
出典:サウンドハウス
ストロークにソロプレイ、アコギからエレキまで幅広く使いやすい標準的な厚みです。素材との相性もありますが、程よいしなりで音色も高音から低音までバランスが良く、使いやすい万能選手。
Heavy(0.9mm〜1mm):しっかりした音で弾き語りにおすすめ
出典:サウンドハウス
アタック音と中低音の出が強く、はっきりとした音色のためロック系の激しいプレイに向いています。アコギの路上ライブで、音量を出したいときなどにもいいですね。しなりが少ないので、速弾きなどのフレーズも弾きやすくなります。
Extra Heavy(1mm以上):上級者や速弾きプレイに向いている
出典:サウンドハウス
ほとんどしなることのない極厚のピックは速弾きプレイにピッタリ。固くて弦に引っかかりやすいため、ストロークプレイには慣れが必要でしょう。ピッキングの強弱を出すなどのテクニックも難しく、上級者向けのピックです。
目的別のおすすめピックの選び方
ピックの選び方に100%の決まりはありませんが、3つのシーンでおすすめの選び方を解説します。自分のプレイスタイルと照らし合わせて参考にしてみてください。
初心者はストロークしやすいピックを選ぼう
初心者の方は、最初に簡単なコードを覚えてストロークの練習をするのが一般的です。弦の押さえ方やリズムなど、注意することがたくさんあるので、ストロークしやすいピックがおすすめです。
最初は柔らかめのティアドロップやトライアングルを使って、慣れてきたらいろいろなピックを試してみるといいでしょう。慣れないうちは力が入ってしまって削れやすいので、安いピックを大量に買っておくのもおすすめです。
【初心者におすすめの選び方】
形状:ティアドロップ・トライアングル
素材:セルロイド・ナイロン
厚み:Thin・Medium
初心者におすすめのピック
FENDER ( フェンダー ) / 351 Shape White Medium
価格700円(10枚)
スタンダードなティアドロップタイプに、使いやすいクラシックセルロイド素材の初心者向けの組み合わせです。値段がとても安いので削れてきたら早めに交換して、常に良い状態で練習しましょう。
FERNANDES ( フェルナンデス ) / P-100SL TRIANGLE MEDIUM WH
価格721円(6枚)
ざらざらの滑り止めがついているおかげで、ずれにくく初心者の練習用にピッタリ。ストロークプレイしやすいトライアングルなので、激しいカッティングプレイにも向いています。
アコギ用ピックは爪に近い素材がおすすめ
生音で演奏するアコースティックギターは、素材による音色の違いやアタック音の強弱がはっきりと表れます。気持ちのよい音を出しやすいのは、爪に近い弾き心地の素材と言われています。
弾き語り中心の方はトライアングルのヘビーを選ぶと、はっきりして気持ちよい音が出てバランスが良いでしょう。ジャズのソロプレイが好きな方はティアドロップやJAZZタイプなど、プレイスタイルによって使い分けるのがおすすめ。フィンガーピックも練習する方は、サムピックも1つ持っておきましょう。
【アコギでおすすめの選び方】
形状:ティアドロップ・トライアングル・JAZZ・サムピック
素材:ウルテム・ナイロン・べっ甲
厚み:Thin・Medium・Heavy
アコギ用でおすすめのピック
CLAYTON ( クレイトン ) / ULTEM URT
価格951円(12枚)
べっ甲や爪に近い素材と言われるウルテムを使った、ストロークプレイにおすすめのトライアングルピック。よくしなる薄めを選べば、初心者さんでもスムーズなストロークを習得しやすいです。耐久性が高いのでジャカジャカ弾いても削れにくいのもポイント高いですね。
TAKAMINE ( 高峰 ) / TPT
価格108円(1個)
親指の腹部分にグリップ素材を配置し、フィット感を高めたサムピックです。長時間弾いても疲れないように設計されています。
速弾きなら厚めで尖ったピックを
速弾きでおすすめのピックランキング
速弾きプレイに求められるのは、厚くて硬めのパワーがあるピックです。音に迫力が出てソロ弾きが盛り上がりますし、少ない力ではっきりとした音色が出るので速いピッキングがしやすくなります。
あまり厚みがありすぎると初心者の方は弾きづらいので、Heavyを試して慣れてきたらExtra Heavyに移行するのが良いでしょう。
【速弾きにおすすめの選び方】
形状:ティアドロップ・JAZZ・
素材:ウルテム・べっ甲
厚み:Heavy・Extra Heavy
速弾きにおすすめのピック
MASTER 8 JAPAN ( マスターエイトジャパン ) / INFINIX JAZZ TYPE – 1.2mm
価格8,100円(50枚)
かなり厚めの速弾き、ソロ弾き仕様ピックです。先端がかなり尖っていて、早くて細かいオルタネイト(往復)ピッキングがとてもしやすいです。滑りづらい素材なので、テクニカルなプレイでもピックがずれにくいのもおすすめポイント。
その他ギターピックの種類と特徴
上で紹介したほかにも、メーカー独自のさまざまなピックが販売されています。練習を積んで慣れてきたら、いろいろなピックを試して違いを比べるのも楽しいですよ。
形状
円形
出典:サウンドハウス
真円形の形状でぱっと見はとてもピックに見えません。尖った場所がないため、アタック音がとてもマイルドで独特の音色になります。360度どこでも同じ音が出せるので、ピックがずれやすい方は試してみる価値ありです。
ホームベース
出典:サウンドハウス
野球のホームベースのような5角形をしたピックです。ティアドロップやJAZZよりも先端がマイルドで、ストロークプレイがしやすいのが特徴。ソロプレイもいけるので、見た目に反してオールマイティな使い勝手で幅広いプレイに対応できます。
その他
出典:アマゾン
近隣や家族に気を使って静かに練習したい人におすすめのサイレントピックなど、このほかにも様々なピックがあります。楽器屋さんに寄ったらピックコーナーを覗いて、変わり種のピックをコレクションするのも面白いですよ。
素材
ポリアセタール
出典:サウンドハウス
セルロイドと同系統のプラスチックから作られている素材です。しなりやすく明るめの音色で、ストロークプレイが多いアコースティックギターでよく使われます。
トーテックス
出典:サウンドハウス
ポリアセタールの表面に表面加工を施した新素材で、くらべるとアタックが強くはっきりした音色になります。表面が滑りにくく、激しいプレイをする人におすすめ。
デルリン
出典:サウンドハウス
アメリカのデュポン社が開発した比較的新しい素材です。なめらかな表面でフラットな音色が出ますが、ツルツルして滑りやすいので慣れないと難しい一面も。
アクリル
出典:サウンドハウス
しなりにくい強い素材で、かなりはっきりした音色が出るので速弾き仕様のピックで採用されます。透明感があってキレイな見た目でオリジナル感も出せますね。
メタル
出典:サウンドハウス
金属同士がこすれる、硬くて強い音色が特徴。攻撃的でオリジナリティあるサウンドを探している方に試してみて欲しいですね。ただし、弦が切れやすくなるので注意しましょう。
象牙、牛骨
出典:楽天
骨系の素材は全くしならず、かなり強めのアタック感が出ます。そのためハードロックやメタルなど、ラウドなサウンドの音楽で好まれる傾向があります。
その他
出典:楽天
木や人工象牙など、珍しい素材で作られたピックはたくさんあります。サウンドに大きく影響する部分ですので、音作りを追求する方はいろいろ試してみてください。
ギターピックの交換時期
弦との摩擦によって、ピックは徐々に摩耗します。先端が丸まってくるとアタック音がマイルドになって音色が変わってきますし、キレのいいプレイができなくなります。
「ここまで減ったら交換」という基準はなく交換時期は人それぞれですが、おすすめの方法を紹介します。同じピックを2枚用意しておいて、摩耗してきたら新品と持ち替えて使い心地をくらべてみてください。新品と比べて「使いづらい」「音が気に入らない」と感じたら交換しましょう。
ピックは高いものでも数百円程度ですから、こまめに交換して気持ちのいい状態で練習したいですね。
ギターピックがずれるときの対策
初心者の方や、激しいカッティングプレイをする方に多いのがプレイ中にピックがずれるという悩み。弦とピックの角度がずれてくると、少しずつサウンドが変わってしまいキレのあるプレイができません。
おすすめの対策を2つ紹介しますので、参考にしてピックずれを防いで気持ちのよいプレイをしましょう。
滑り止め加工のピックを選ぶ
おすすめピックの項目でも紹介しましたが、ざらざらとした滑り止め加工を施したピックはずれ対策に有効です。やすりのような、粗めの滑り止めがついているモデル特にずれにくいのでおすすめ。
使いたいピックに滑り止めタイプが無い場合は、自分で滑り止め加工をするのも一つの手です。やすりで両面を削って滑りづらくしたり、滑りにくいシールを貼ったりするのもおすすめ。いろいろと工夫してみましょう。
GRECO ( グレコ ) / G-GRIP
価格410円(1セット)
ピック貼るだけで滑り止めになる便利なシールです。好みの大きさと形にカットできますので、どんなピックにも合わせられます。
ESP ( イーエスピー ) / AntiSlipLOGO Triangle Heavy/SB
価格1,190円(12枚)
ロゴ部分がざらっとした滑り止めになってグリップ感抜群。ぱっと見滑り止めとは分からないデザインなので、滑り止めのデザインが苦手な人にもおすすめ。
正しい持ち方・フォームを身に付ける
初心者のうちはどうしても無駄な力が入ってしまい、ストローク時に引っかかってピックずれの原因になっている場合があります。ピックの持ち方に決まりはありませんが、指できちんと挟めていないなど、明らかに保持しにくい持ち方の可能性もあるので、持ち方をチェックしてみましょう。
特にオルタネイトピッキングの練習で、ピックが往復する際にずれが発生することが多いです。正しいフォームを身に付け、力を抜いてリラックスしたストロークができればピックはずれません。滑りにくいピックを使ってもずれる場合は、プレイスタイルを疑ってみて正しいフォームを身に付けましょう。
正しいピックの持ち方で上達したいなら『シアーミュージック』がおすすめ!
正しいピックの持ち方、フォームを習得するのは独学では難しいものです。周りに詳しい人が居ればいいですが、相談できる人がいない方はギター教室に通うのがおすすめ。初心者の早い段階で正しいフォームが身に付けば、練習効率が良くなって上達のスピードも速くなります。
ギター教室に通うなら、予約が取りやすいシステムで通いやすい『シアーミュージック』がおすすめです。WEB予約システムを導入していて、簡単操作で予約を入れることができます。全国に店舗を構えているので、通いやすい場所を探せるのもおすすめポイント。
受講生はレッスンブースが空いていれば無料で自由に使うことができます。レッスンでストロークの練習をしたら、そのあと自主練習で間隔をつかむまで復習すれば上達も早くなります。自宅と違って大きな音で練習できるので、ストロークの微妙なニュアンスも練習できて表現の幅も広がりますよ。
シアーミュージックでは無料レッスン体験を受け付けていますので、気軽にお試しすることができます。先生との相性や教室の雰囲気なども確認することができますので、入会してからのイメージ違いもありません。気になる方はぜひ活用してみてください。
自分にピッタリのピックでどんどん上達しよう!
今回はさまざまなピックの種類や、おすすめの選び方について解説しました。弦と体の唯一の接点であるピックは、ギタープレイにおいてとても重要なアイテムです。使いやすいピックを使ってどんどん練習することが上達の近道ですので、いろいろ試してお気に入りピックを探してみてください。
上達したら素材や音色にもこだわって、オリジナルのカッコいいサウンドをライブで披露しちゃいましょう。