ギターのチューニングとは
ギターにおけるチューニングとは、ギターの弦の6本すべての音程を個別に決められた音程に合わせていく作業のことをいいます。ギターのチューニングはヘッドの先端についた「ペグ」と呼ばれるネジ状の部分を用いて行います。
ペグを締めると弦の張りが強くなり、音が高くなります。逆に、ペグを緩めると弦の張りが弱くなり、音が低くなります。一度チュ―ニングをしたとしても、ギターは演奏するうちに少しずつ音が変わっていってしまいます。そのため、ギターを引くのであれば必ず、チューニング」の方法を覚えなくてはなりません。
ここでは「チューニング」に必要な「チューナー」について、具体例とともに紹介していきます。
チューナーの種類
まずチューニングを行うためのチューナーについてですが、チューナーには様々な種類があり、それぞれ違った特徴を持っています。それぞれのチューナーが持つ特徴やメリット・デメリットを踏まえて、自分にあったチューナーを探しましょう。
クリップ
クリップチューナーは、ギターヘッドに取り付けるタイプのチューナーです。チューナーの中では比較的安価なタイプのものであり、最近では初心者用セットの中に組み込まれることも多くなりました。小さく持ち運びに便利であり、シールドを繋ぎかえる必要もなくチューニングをすることができます。自宅練習やバンドのリハーサルなどには最適です。
しかし、クリップチューナーはほとんどのものがプラスチック製のために壊れやすくなっています。ライブ会場などの極端に音の大きい場所でのチューニングにも向いていません。
カード
カード型のチューナーは、ギターだけではなく管楽器・弦楽器などのオーケストラ系楽器のチューニングにも使われ、音楽をやっている人たちの間では最も一般的に使われているチューナーです。
クリップチューナー同様、サイズは小型で譜面台の上に置くこともできるので、ピッチを確認しながら演奏をすることができます。
機能にこだわらず、シンプルな作りのものであれば、安価な値段で購入することができます。料金帯も1000円ほどで購入可能ですが、最近ではメトロノームやアンプを内蔵したモデルも発売されています。専用のアタッチメントを使えば、前述のクリップチューナーのように使用することもできます。
カード型チューナーは内蔵マイクで音を拾うため、ある程度静かな場所でない場合は音をうまく拾うことができません。また、視認性が悪いために演奏中のピッチが確認しづらいことも難点です。
エフェクター
エフェクターにはモデリングアンプなどといった様々な機能が内蔵されており、チューナーもそのうちの1つです。多くのものは持ち運びも楽であり、手持ちの楽器に繋いで扱うことは簡単です。
使い方は前述のクリップ型チューナーやカード型チューナーとほぼ同じであり、エフェクターとギターをコードでつなぐことによって確認できる音程の高さ、低さを見ながら弦の張り具合をペグを回して調整します。
エフェクター、アンプのかかり具合の調節のため最近は形状をコンパクトタイプにしつつあります。直観的な操作が可能なのがエフェクターの良さでありますが、使い方の難易度が他のものと違い格段に難しいものとなっているため、操作になれるまでに時間がかかってしまうことがネックです。
アプリ
最近では、携帯の内蔵マイクを使用したチューニング・アプリケーションといったものも多く見られるようになりました。アプリケーションには基本的に無料のものが多く、これらの登場によってチューナーをまだ購入していない場合やチューナーを忘れてしまった場合など、チューナーがない状態での手軽なチューニングが可能になりました。
これらアプリには単純なチューナーの機能だけではなく、スマートフォンの高性能な集音マイクを使用した高性能チューニングや録音機能、メトロノーム機能やコードライブラリ、スキルチェック用の楽譜の内蔵といった様々な拡張機能がカスタムされているものがあります。自分のニーズに合ったチューナーを探すのに、アプリケーションの利用は一番手軽な手段でしょう。
PCサイト
チューニングとしては少しオールドタイプな手法ですが、PCサイトでギターチューニングを行うことが可能です。そのシステム自体は古くに組まれたものが多いため、これといった目新しい機能が利用できるわけではありません。
ですが、チューナーとしての性能は折り紙付きのものも多いため、もし手元に、PCに接続可能な集音マイクがあった場合は使ってみると良いかもしれません。
チューナー選びのポイント
ギター初心者にとって必須アイテムとも言えるのが「チューナー」ということがお分かりいただけたと思います。しかし、チューナーは何を使っても良いというわけではありません。
ここでは、ギター初心者に向けてのチューナー選びのポイントを紹介します。
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- 初心者ならカード式
カード型のチューナーは、その実用性からギターや管楽器などといった楽器のジャンルを問わず多くの音楽人に愛用されています。メトロノームなどの機能を基本搭載している他カスタマイズによって様々な機能拡張が可能であり、一台手元にあるだけでも多くの効能を発揮します。安価なので初心者にとっても手にとりやすい一品となっています。
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- 人気のものを選ぶならクリップ式
クリップ式のチューナーは最近人気のタイプで、各メーカーで販売されています。シールドに繋いでチューニングするのが面倒ということもあり、簡単にチューニングできるのが評判です。値段も安いため手に入れやすいです。
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- 簡単にチューニングしたいなら自動チューナー
世界的なエレキギターメーカー「Gibson」から発売された近年のレギュラーラインの製品の大半には、オートチューニング・システムである「G FORCE」という機能が搭載されています。
この機能はチューニングの種類を設定しギターを開放するだけで、各弦に取り付けられた6つのペグが自動的に動きながらチューニングを行います。このギターのヘッド部分にはモータードライブ機構のペグに「音程感知チューナー」が取り付けられており、自動的に完璧なチューニングが簡単にできます。
レギュラーチューニングだけではなく目的に応じたチューニングができるのもこの機構の特徴であり、全12種類のチューニング方法の使用とユーザーバンクとして6種類のチューニング登録が可能です。
チューナーの多くは楽器屋での取り扱いとなりますが、インターネットでの購入も可能です。また、初心者セットの特典として付属する場合もあります。
おすすめのギターチューナー
以下のチューナーを、初心者オススメのチューナーとして紹介させていただきます。数多くあるチューナーの中から、選りすぐりのものをピックアップしました。
YAMAHA クリップチューナーYTC5
★詳しくはこちら
どんなシーンでも気軽に使えるクリップタイプのチューナーです。暗いステージでも使いやすい「バックライト機能」が搭載されており、場所を問わないチューニングが可能です。ヘルツは440Hz固定となりますが、全弦半音下げチューニングやOpen Dなどといった変則チューニングが可能なチューナーとなっています。ある程度の騒音の中でもチューニングができるほどの性能を持ち、価格も1000円ちょっとと購入しやすいチューナーです。
YAMAHA チューナーメトロノーム TDM–700G
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チューナーとメトロノームが同時に使えるデュアル機能が搭載された、スタンダードな一品。バックライト付きの大きな液晶に音名とリズムが表示され、一音一音正確にチューナーが反応するため、演奏中でも確認が容易なものとなっています。410Hzから480Hzの幅広いリキャブレーション範囲を持ち、様々なチューニングに対応しています。
KORG 小型ペダル式チューナー Pitchblack mini ピッチブラック ミニ
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小型のペダル型チューナーであるこの商品は、ボードに簡単に組み込めるほどのミニサイズであり、音に影響を与えずに高精度でのチューニングが可能です。そのためプロフェッショナルなレコーディングやステージなどシビアな現場でも活躍できます。様々なコンサートピッチに対応する李キャブレーションの設定も可能であり、ステージでの使用に最適です。
KORG クリップ式チューナー pitchclip ピッチクリップ ギター/ベース用 PC-1
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このチューナーはチューナーとしては超おすすめのクリップ式チューナーで、表示が見やすくわかりやすい、精度が高いという基本的なことはもちろん、コンパクトなデザインも飽きがこないスタンダードタイプ。見た目も良く、シンプルなつくりではありますが、リバース機能の搭載など使いやすい設計となっているので、これ一台でスムーズなチューニングが行えます。
小さくて軽いボディは持ち運びも楽々です!LEDで見やすいメーター表示はわかりやすく初心者向けでもあります。取り付け方向を自由に変更できるので右利き左利きに関わらず使用できる嬉しい1品です。取り付けた後も安定感抜群のクリップ式チューナーKORGのピッチクリップは手軽にチューニングをしたいギタープレイヤーにオススメのチューナーです。
アプリ「Lite by plusadd」
「楽器チューナー Lite by plusadd」というアプリは、現在世界で 70万人のミュージシャンが使っているという人気のチューナーアプリです。スマートフォンの高性能な集音マイクを生かした正確性やある程度の騒音でもしっかりとチューニングをすることができるといった特性から、多くのミュージシャンに愛されるチューナーであることが分かります。
アプリ「GuitarTuna」
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「GuitarTuna」は、素早く簡単に正確なチューニングができる優れもののアプリです。初心者タイプ・エキスパートタイプといった2つのタイプが内蔵されており、自分の技量にあったチューナーの機能を用いながらのチューニングが可能です。また、チューナーとしての役割だけではなくメトロノーム機能といったスタンダードな機能からコード図確認用のコードライブラリ、スキルチェック用のギタータブ譜つき楽譜が4曲分付いています。
アプリ「チューナー&メトロノーム」
★詳しくはこちら
「チューナー&メトロノーム」はワンタッチの簡単な操作でチューニングをすることができます。チューニング画面には音の波形が表示され、自分の音程がどのようにズレているのか、どう調整すれば良いのかが一目でわかるような親切な設計となっています。他にも絶対にズレないメトロノーム機能や基準音Aの周波数の設定が可能で、シンプルながらもニーズに合ったアプリケーションとなっています。
アプリ「ギターチューナー」
「ギターチューナー」は携帯の内蔵マイクを使って素早くギターをチューニングすることができるアプリケーションです。チューニングのためのペグの開け閉めはアプリが全て指示を出すため、チューニングを始めたての型でも安心して利用出来ます。単なる初心者向けのものではなく、プロにも嬉しい様々な拡張機能が搭載されています。オープン、ドロップ、モーダルなど80種類のチューニングが利用可能な他、1500種類以上のコードが集められた、ビジュアルコードライブラリの閲覧も可能です。
何かの時に覚えておくと便利 「チューナー不要のチューニング」
チューナーがない!チューニングアプリも使えない!ギターの練習時、そんな緊急事態に遭遇することも。チューナーを使えば手早く簡単にチューニングが出来ますが、もし無かった時は一体どうすれば良いのでしょう。
でも、大丈夫!チューナーなしでもチューニングをすることが可能なのです。
【方法】
ますはじめに5弦を「A」の音に合わせます。音叉や携帯で「A」の音を出し、それからギターの5弦を鳴らします。ずれている場合は音叉・携帯とギターの音がうねった音を生み出します。この場合は、ペグを締めたり緩めたりするなどしてうねるような音がなくなるように合わせます。くっきりとした音が出るまでこれを続けましょう。
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- ここから5弦を基準にして、
- 6弦の5フレットを合わせる
- 5弦の5フレットと4弦の開放を合わせる
- 4弦の5フレットと3弦の開放を合わせる
- 3弦の4フレットと2弦の解放を合わせる
- 2弦の5フレットと1弦の開放を合わせる
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で完了。
少しテクニックが必要ですが、チューナー無しでのチューニングは音感が鍛えられるので、知っていて損はありません。ギターに慣れてきたときに試してみるのが良いかもしれません。
まとめ
ギタリストとして、絶対に手放すことのできない「チューナー」。
「チューナー」には様々な種類があり、それぞれのメリット・デメリットを鑑みながら選ばなくてはなりません。もしあなたがチューナーを選ぶとき、大切にすることは何でしょうか?人気、性能、ブランド……多くのチューナーの中から、自分に見合ったものを見つけることは大変です。
チューナーを選ぶ際には、自分がどこで、どんな特性を持つギターを使って演奏するのかを常に考えながら選びましょう。
人々に音を届ける、という使命をもったらギタープレイは、チューニングが命です。この機会に、チューナー、そして自分のギターの音にこだわってみるのはいかがでしょうか.