目次
セッティングとは?
まずはセッティングについて簡単に確認しましょう。
自分の演奏しやすい場所に楽器を配置すること
複数の楽器を同時に扱うドラムだからこそ、セッティングは必要なことです。スティックを握ったとき、楽器が演奏しやすい距離にあることはもちろんです。また、楽器や椅子の高さも重要になります。
体格によってセッティングは異なる
人によってベストなセッティングは異なります。身長によって適切な椅子の高さが異なり、楽器との距離も変わってきます。タムを増やす、バスドラムを2つにするツーバスなど、前提条件が変われば自ずと楽器の配置も変わってきます。セッティングは自分が演奏しやすくするために行うものなので、アレンジの仕方はいくらでもあります。
セッティングのやり方
セッティングの具体的なやり方を見ていきましょう。
セッティングの大まかな流れ
セッティングは、主に以下の順で行っていきます。大事なものからセッティングしていくことで、極力無駄を省いた最小限のセッティングにできるからです。
2.バスドラムのセッティング
3.ハイハットのセッティング
4.スネアのセッティング
5.タムのセッティング
6.シンバルのセッティング
7.全体の微調整
これらのセッティング方法を順番に解説していきます。
1.スローンのセッティング
引用:Amazon
自分が座る椅子であるスローンの調整から始めます。椅子の高さをきちんと合わせることが、演奏しやすくするための第一歩です。椅子を、膝が90°より少し広くなるくらいの高さに合わせ深めに腰掛けましょう。両足は演奏で動かすので、椅子の上にちゃんと重心がくることを確認します。両足を軽く上げても、身体が前に傾いたりしなければ大丈夫です。
スローンは主に2種類あります。安定性のいいスクリューロッド式のものと、安価なクランプ式です。クランプ式は、ネジをしっかり締めないと椅子が下がってしまうデメリットがあります。スクリューロッド式は高さの微調整ができる上に、ストッパーが緩んでも簡単には椅子の高さが変わりません。演奏で手足を動かしても、身体をしっかり支えてくれるので初心者におすすめです。
スローンは重いビート重視なら低め、軽いビート重視なら高めにするのが一般的と言われています。低めに調整すればフットペダルをしっかり踏みやすく、高めに調整すれば必要以上に踏み込んでしまうのを避けやすいからと考えられます。
2.バスドラムの調整
フットペダルがバスドラムのヘリにきちんと装着されていることを確認します。これが離れていると、演奏中にペダルがぐらついたり、ビーターが打面から遠のいてしまうことがあります。ペダルの配置は、真下に踏みつけるより若干前に出すくらいの距離に設置します。
3.ハイハットのセッティング
バスドラムと同じで、真下に踏みつけるよりも若干前にでるくらいの距離に配置します。爪先だけで踏むのではなく、足の裏全体を使ってペダルを踏むと余計な力が入りにくいからです。ハイハットシンバルの高さは、スローンに腰掛けたときの自分の肩あたりに来るように調整します。距離は、中心部より端っこのエッジの部分を叩きやすいように配置。2枚のハイハットシンバルの開き具合は、曲に合わせて調整しましょう。
4.スネアドラムのセッティング
スティックを構えたとき、自然と叩きやすい位置にスネアがあることが理想です。腕を真っ直ぐ下に降ろし、肘は90°に曲げて地面に対してほぼ水平な状態が自然な構えとなるので、スネアの高さをこれに合わせます。
高すぎたり低すぎたりすると、手首のスナップがうまく使えなくなります。スローンに座ったとき、スネアは腰の高さにくるのが大まかな目安です。スネアの傾き具合は5~20°ぐらいにしましょう。傾けすぎると、リムショットがやりにくくなってしまいます。
5.タムのセッティング
スネアドラムよりやや遠目に配置しますが、上半身の重心が動かない程度の距離にすることが大事です。タムを打つたびに上半身が前に傾くようでは遠すぎます。タムの傾き具合は好みに合わせますが、バスドラムに接することは避けましょう。楽器同士が接触していると、双方に余計な振動を与えかねません。ツータムの場合、傾き具合は同じにしたほうがタム回しの演奏がやりやすくなります。
6.シンバルのセッティング
シンバルの高さはタムよりも上にきます。タムと同様に、スティックが無理なく届く範囲に配置しましょう。自然にシンバルのエッジが叩ける高さ・距離であることが理想です。ドラムセットを真上から見たとき、タムと重なりすぎないようにしましょう。タムを叩いたときにシンバルにも触れてしまい、スティックを落とす要因になってしまいます。
7.全体の微調整
最後に、本番をイメージしながら実際に叩いてみてセッティングに問題がないかチェックします。違和感があったら、1のスローンから順番にチェックしてみましょう。
セッティングに役立つ方法
気になるセッティングがあったら、手書きでメモを取ったり撮影しておくなど、記録に残しておきましょう。同じ配置を実際に試してみれば、やりやすいかどうか確認もできます。また、使われているドラムのメーカーや、どのスタジオで使用されていたかなど細かくメモしておきましょう。そこまでメモしておけば、スタジオごとに最適なセッティングを考えられます。
自分がやりやすいようにセッティングするのが基本
セッティングは、演奏しやすくするために行います。
セッティングのやり方のポイントをもう一度下記にまとめました。
2.バスドラとハイハットは踏みやすいか。重心はずれないか
3.スネアは、叩く時に腕がほぼ水平になっているか
4.タムやシンバルは重心を動かさずに叩けるか
5.シンバルはエッジを叩きやすいか
高さと距離感の2つを調整することが大事です。
「何か演奏しにくい」と思ったとき、セッティングがおかしいと考えられます。今回紹介したやり方でセッティングを行えば、二度手間を避けやすいので時間も大幅短縮できます。演奏時の姿勢を考えることは、ドラムで良い音を出すために必要なことです。リラックスして演奏できるセッティングが見つかり、役に立ったなら幸いです。