先日、何気なくテレビを観ているとコンサートスタッフの仕事が特集されていました。
音楽が好きだったり、好きなアーティストがいる人は特にそうだと思うんですが、コンサートスタッフってすごく憧れませんか?
私は小学生の頃から某5人組アイドルグループの大ファンで、コンサートスタッフの仕事をすれば本人達に近くで会えたりしないのかと考えたり。
私の場合は、よこしまな考えからの憧れですが、大勢の人に感動を与えられるコンサートスタッフという仕事って、やっぱり素敵ですよね!コンサートスタッフの特集を観ていても、場内を駆け回る姿はすごくかっこよかったです。
でも、そんなコンサートスタッフの仕事、謎が多いところもありますよね。
バイト情報誌などでよくコンサートスタッフの求人広告を見かけるけど、果たしてコンサートスタッフはどうやって毎回集められているのか?
正社員にはなれるのか?どういう勤務形態なのか?詳しい業務内容は?実働時間は?
そして、バックステージでアーティストに会えるのか?!
謎が多く、インターネットで調べても実情が見えにくいコンサートスタッフの仕事。
これから本気でコンサートスタッフを目指す人、バイトでとりあえず経験してみたい人、たくさんいると思います。
今回はそんな人達のために【コンサートスタッフのメリットとデメリット】をまとめてみました。
実際にコンサートスタッフ経験のある人達から、コンサートスタッフの仕事の裏話も入手!それも併せて掲載しているので、ぜひ今後に役立ててもらえればうれしいです。
目次
コンサートスタッフってこんな仕事
"コンサートスタッフの仕事"と聞くと思い浮かべるのは、「チケットの確認」「場内の警備・見回り・案内」などの仕事。
しかしこれら以外にも、私達の目に見えないところで多くのコンサートスタッフが働いています。
コンサートスタッフの仕事内容
主なコンサートスタッフの仕事として、
- コンサート会場での設営、受付、警備
- ステージの音響、映像、照明(ステージエンジニア)
があります。
このうち、「ステージの音響、映像、照明」の仕事は「ステージエンジニア」と呼ばれる専門職。
コンサート会場で働く人ではありますが、厳密に言うとコンサートスタッフの仕事ではありません。
私達がバイト情報誌などでよく求人広告を見かけるのは「コンサート会場での設営、受付、警備」の方です。
これらの仕事内容をさらに詳しく分解してみると、
- 【コンサート事前準備】
機材の搬入、セッティング
来場客用のチラシ折り - 【コンサート開演前】
チケットのもぎり
持ち物チェック
チラシの配布
来場客のコンサート会場案内 - 【コンサート開演中】
コンサート会場内の警備 - 【コンサート終演後】
来場客の出口案内
機材の撤収
コンサート会場内の清掃
と、かなり多くの業務をこなさなくてはいけないよう。
コンサートスタッフが働くのは、コンサート当日のみに限られることが多いようですが、その分コンサート当日の仕事量は膨大。
実働時間は、早朝から夜遅くまで丸1日に及ぶことがほとんどのようです。
コンサートスタッフのお給料
コンサートスタッフのお給料に関しては、平均を出すのが難しいと言われています。
コンサートは全国各地で毎日数多く開催されていますが、その1つ1つで条件が違うからです。
地方で開催されるコンサートは反対に、規模が小さいことも多いので都心と比べるとお給料は低め。
このようにお給料の地域格差はありますが、全国で共通して言えることは【コンサートスタッフのお給料は決して高いとは言えない】ということです。
東京でのコンサートスタッフのアルバイトを例に見てみると、コンサートスタッフの仕事の平均時給は1,000円。
東京都の最低賃金が985円だということを考えると、決して高い時給だとは言えません。
これは東京に限ったことではなく、全国的にコンサートスタッフのお給料は低めに設定されているのが実情のようです。
コンサートスタッフになるには
コンサートスタッフになるために、何か特別な資格が必要だということはありません。
やる気と体力があれば、誰にでも活躍できるチャンスがある仕事です。
- アルバイトの場合
バイト情報誌などで求人を探して応募→面接に合格すれば採用
と、他のアルバイトと変わらないプロセスでコンサートスタッフの仕事に就くことが出来ます。
アルバイトの働き方は多様で、単発や長期、短時間や長時間勤務など、自分のライフスタイルに合わせて働き方を選ぶことが可能な仕事でもあります。 - 正社員の場合も基本的にはアルバイトと変わらず
求人を探して応募→面接に合格すれば採用
というプロセスでコンサートスタッフの仕事に就くことが出来ます。
そのほかに正社員の場合は、大学や専門学校で何か専門的な知識を学んでいれば、面接のときに有利になる場合があります。
コンサートスタッフのメリット・デメリット
どんな仕事にもメリット・デメリットはありますが、コンサートスタッフの仕事におけるメリット・デメリットって一体どのようなものなんでしょうか?
メリット・デメリット、両方の面から"コンサートスタッフ"という仕事を深堀していきます!
コンサートスタッフのメリット
コンサートスタッフの仕事のメリットは、
- コンサートの舞台裏が見れる
- 無料でコンサートを観れる
- アーティストに会える可能性がある
- 時給は高くないが1日中働くのでまとまった額のお給料がもらえる
- 採用人数が多いので友達が出来る
- 都心だとコンサートの数が多いので仕事に困らない
などが主なメリットとして挙げられます。
コンサートスタッフを志望する動機として一番多い「アーティストに会えるかも」は残念ながら可能性としてはかなり低いらしく、メリットとしては弱いよう。
業務内容に関するメリットというよりも、「友達が出来る」や「人と接することが得意になる」などの、人間関係に関するメリットが多く挙げられました。
コンサートスタッフのデメリット
コンサートスタッフの仕事のデメリットは、
- 体力的にかなりキツイ
- コンサートに没頭できない
- 長時間拘束される
- 1回きりのステージなので絶対に失敗できない
- 一緒に働く人とのコミュニケーションが必須
- 観客への対応をしなくてはいけないのと
- 少なからず観客とのトラブルがつきもの
などが主なデメリットとして挙げられます。
メリットで挙げられていた「コンサートを観れる」は、逆に「コンサート鑑賞に没頭できない」というデメリットにもなるよう。
とくに好きなアーティストのコンサートでの仕事だった場合、盛り上がっているタイミングを見逃したり、観れてもあくまでも"仕事中"なのでしっかり観れないなど、ストレスになってしまう場合もあるようです。
また、1人では出来ない仕事なので、多くの人と協力しながら仕事を進めることが苦手な人にとっては、"絆"や"仲間"などもデメリットに。
自分の性格を十分に考慮しなければ、とてもツラい仕事になってしまうようです。
【裏話】コンサートスタッフが語る
さて、ここからは実際にコンサートスタッフの経験がある人にインタビューして聞いた【裏話】を掲載していきます。
実際に働いた人にしか分からないメリットやデメリット、感動やツラさなどを赤裸々に語ってもらいました!
コンサートスタッフ・やってよかった!編
まずは、「コンサートスタッフをやってよかった!」というポジティブなエピソードのご紹介です。
コンサートスタッフが喜びや楽しさを感じるのって、果たしてどんなタイミングなんでしょうか?
コンサート終わりにみんなで号泣
私は大学時代の4年間を通して、ずっとコンサートスタッフのバイトをしていました。
仕事は基本的にハードで、毎回かなり疲れるのですが、その分達成感も大きい仕事です。
4年間働いた中ですごく印象に残っている仕事が1つあって、それは大学2年生の冬にあったあるバンドのコンサートでの仕事です。
その時ちょうど世間ではインフルエンザが流行していて、バイトのメンバーも次々と感染。
コンサート当日には予定していた人員の半分しか集まらなかったことがありました。
ただでさえハードな仕事なのに人員が半分。
その日は朝から全員ピリピリしていて、トラブルも多発します。
このままでは無事コンサートを開演できないんじゃないかと不安になったこともありました。
しかし少ない人数で力を合わせてなんとか無事にコンサートを終えることができ、その時は無事に終えることが出来た安心感でメンバーみんなで号泣。
普段はあまり話さない人達とも喜びを分かち合ったりして、結果すごく仲良くなれました。
その時のメンバーとは、社会人になった今でもしょっちゅう集まって呑んだりしています!
コンサートスタッフの仕事はハードですが、その分、一緒に働く人達との絆も生まれやすい仕事だと思います。
もしやりがいのある仕事を探している人がいれば、一回だけでもコンサートスタッフに挑戦してみてほしいです。【30代・女性】
大好きな人から笑顔で「ありがとう」を
大好きなアーティストのコンサートに初めて行った時すっごく感動したので、私もこの人のコンサートに関わりたいと思い、コンサートスタッフに志願。
田舎だったこともあり、私が関わったコンサートではスタッフの数が足りなかったみたいです。
それなので仕事はとってもキツくて、何度も泣きそうになりましたが、コンサート途中に見えたお客さんの笑顔や、素晴らしい演奏に元気づけられ乗り越えることが出来ました。
あくまでコンサートに関わることが目標だったので、本人に会えるなんて期待はしていませんでした。
しかしコンサート終わりに会場の片づけをしていたら、アーティスト本人がわざわざスタッフにあいさつに来てくれたんです。
1人1人の目を見て「ありがとう」と言ってくれて、間近でアーティストの顔を見ることが出来ました。
コンサートスタッフをしなければこんな経験は出来なかったと思うので、本当にコンサートスタッフをしてよかったと思います。【20代・女性】
コンサートスタッフ・もう嫌だ!編
「コンサートスタッフ最高!」という人もいれば、「二度とコンサートスタッフの仕事なんかしたくない!」という人もいます。
次は、そんなネガティブなエピソードをご紹介。もし今コンサートスタッフの仕事をやりたいと考えているのなら、ここは読み飛ばしたほうがいいかも…?
極寒の北海道でひたすら誘導係
僕は大学生の時に1回だけコンサートスタッフのバイトをしたことがあります。
その日1日限りで辞めていい単発の仕事で、給料もその場でもらえるというかなりオイシイバイト。
学生で金がなかったので、深く考えずに面接に行って即採用してもらえました。
仕事内容は当日の朝、会場に集まったときに知らされたんですが、なんと僕に与えられた仕事は"極寒の北海道での屋外誘導係"!
その日の北海道の最低気温はマイナスで、雪もドカドカ降ってくるすごく寒い日。
そんな状況の中で僕は3時間外に出て、ライブを観に来たお客さんの誘導をひたすら行いました。
生まれも育ちも北海道の僕ですが、それでもやっぱり寒いものは寒い!ダウンジャケットなどの防寒具は貸してもらえましたが、それでもすぐに寒さで体がマヒしたのを覚えています。
コンサートスタッフの仕事はやることはたくさんあるので、どの業務を割り振られるかで天と地に分かれます。
これはもう運に任せるしかないのですが、僕はあのキツかったあの1回で懲りて、それからはコンサートスタッフのバイトはやってません。正直もう二度とやりたくないです。【20代・男性】
迷惑行為をする観客に逆ギレされる
コンサートスタッフの仕事はめっちゃ大変でした。
会場設営とかも大変でしたが、中でも一番大変だったのは観客への対応。
コンサート中に平気で写メ撮ったりする人とかいて、そういう人に注意する仕事が本当に嫌でした。
普通は男性スタッフが対応してくれるんですが人が少なかったりしたら女性スタッフが注意することも。
私が注意した観客は逆ギレしてきて、コンサート終わりに怒鳴られたこともありました。
私は結局そのことがトラウマになってバイトを辞めたんですが、こんなことしょっちゅうあるんで、女性にはおすすめしないバイトです。
謎が多いコンサートスタッフの世界
憧れるけど実態がよく分からない…、そんなコンサートスタッフの仕事について今回は記事をまとめました。
いかがでしたか?
私もずっと憧れていたコンサートスタッフの仕事でしたが、改めて調べてみると想像と遥かに違う部分も。
大勢の人に感動を与えるコンサートは、その裏で一生懸命働いてくれるコンサートスタッフがいるからこそ成立するんですね。
想像以上にハードな仕事のようですが、仕事を終えた時の達成感や感動も大きいコンサートスタッフの仕事。
興味がある人はぜひ一度、その世界に足を踏み入れてみるのもいいかもしれませんね。