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ジャズ

ジャズべーシスト「ビル・ディッキンス」の神業高速スラップ

投稿日:

尊敬する人は、ジャズベーシスト界の神「ビル・ディッキンス」です。

こんにちは!
ジャズをこよなく愛するライターのJJです。

今回は、私が尊敬してやまない「ビル・ディッキンス」について語らせていただきたいと思っています。

まず、あなたは「ビル・ディッキンス」を知っていますか?

彼の大ファンとしては悲しいことですが、おそらくほとんどの人の答えが「NO!」でしょう。

私もきっとジャズが好きじゃなかったら、彼のことなんて一生知らなかったと思います。
しかし、こうして縁あって彼のことを知ってしまった今だから言えるのは、

『彼のことを知らないなんて人生損していますよ!』

このジャズベーシスト界の神「ビル・ディッキンス」って、本当にすごい人なんです。

その"超絶技巧"と絶賛されるテクニックで、多くのベーシスト達に影響を与えてきた人物。
とくに高速スラップが有名ですが、フィンガーピッキングでの速弾きに加えて、その正確無比なリズム感も離れ業として称えられています。

見た目はポッチャリとした可愛いおじさん(水野晴郎さんに似ていると言われてます)ですが、7弦・6弦ベースを持つと神に豹変!

そんな魅力たっぷりの「ビル・ディッキンス」をご紹介していきます。

ビル・ディッキンスとは

ビル・ディッキンスは、アメリカイリノイ州出身のジャズベーシストです。

残念ながら日本では「知る人ぞ知る!」というレベルの知名度ですが、本国アメリカではとても有名なベーシスト。
ジョージ・マイケルやジャネット・ジャクソンなど大物アーティストのバンドメンバーを務め、ライブで世界各国を飛び回っています。

1970年代から活動をはじめ、現在までずっと第一線で活躍しています。

日本では彼の活躍を目にする機会はあまりないので、ぜひ一度youtubeなどで彼の"超絶技巧"を見てみてください!

ビル・ディッキンスの凄さはここ

インターネットで「ビル・ディッキンス」と検索すると、「超絶技巧」と一緒に「7弦ベース」や「6弦ベース」というワードが。

そうなんです!
この「7弦ベース」や「6弦ベース」こそが彼の神髄

通常、高速スラップは腕の使い方をマスターさえすれば、取り入れやすい奏法です。

しかしそれは4弦ベースであればの話。

▼これが4弦ベース▼

4弦べース

▼これが7弦べース▼

7弦ベース

彼は7弦ベースや6弦ベースなど、弦間が狭いベースで高速スラップを再現してしまうんです。
当たり前ですが、4弦と7弦では弦の本数も違いますし、ネックの太さが倍はあります。本数が多いと、力の加減も難しい。

これは本当に"神業高速スラップ"としか言いようがないほどの、超絶技巧です。

彼のこの"神業高速スラップ"については、「早すぎて何をやっているのか分からない」という批判が出てしまうくらい。

やはり文字のみだと彼の凄さは伝わらないので、2度目になりますが、ぜひ一度Youtubeなどで彼の"超絶技巧"を見てみてください。

ビル・ディッキンスレベルの高速スラップは可能か?

ここまで散々「ビル・ディッキンスの高速スラップが凄い!」と熱弁してきましたが、その技、どれくらい難しいものなのか気になりませんか?

"神業高速スラップ"と呼ばれる彼の技に、素人が挑戦するとしたらどうすればいいのかを調べてみました。

そもそもスラップって?

まずは、『そもそも「高速スラップ」の「スラップ」って何?』という話から始めたいと思います。

「スラップ」とはベースの演奏方法の1つで、正式には「スラップ奏法」と呼ばれるもの。

スラップの他に、「スラッピング」「チョッパー」と呼ばれることもあります。
しかし「チョッパー」に関しては日本独自の呼び方で、日本以外で使用しても通じないことがほとんど。海外のプレーヤーと会話する際は「スラップ」の方を使うようにしましょう。

スラップは、
①親指で弦を叩いて音を出す「サムピング」
②人差し指や中指で弦を引っ張り上げて音を出す「プル」
の2種類の方法を組み合わせて演奏します。

2種類の方法の使い分けとしては、【高音弦をプル】【低音弦をサムピング】としているプレイヤーが多いよう。
しかしあくまでもこれは一般的な話で、プレイヤーの好みで使い分けていいみたいです。

ちなみに、日本で初めてスラップをしたのは、あのドリフターズのリーダー「いかりや長介」だと言われています

"日本のビル・ディッキンス"は?

世界にはビル・ディッキンスをはじめ、多くのスラップの達人、いわゆる"スラッパー"がいます。

もちろん日本にも何人もの"スラッパー"が。
今回は、そんな日本の有名なスラッパーを3人紹介したいと思います。

日本の有名スラッパー【1人目・後藤次利】

日本の有名スラッパー、1人目はベーシストで作曲家、音楽プロデューサーもこなす「後藤次利(ごとうつぐとし)」です。

1952年生まれの後藤次利は、今年で67歳。
中学生の頃に観た「アストロノウツ」と「寺内タケシ」のギターテクニックに衝撃を受け、エレキギターを始めます。

大学在学中に「ブレッド&バターと岸部シロー」のツアーでベーシストデビュー。
そのことをきっかけに、「南正人」や「小坂忠」「サディスティック・ミカ・バンド」など様々なアーティストのライブやレコーディングに参加。
若き天才ベーシストとして、次第に名前が有名になっていきます。

また、1980年からは作曲家としても本格的に活動を開始。
「近藤真彦」や「おニャン子クラブ」「吉川晃司」「とんねるず」など、当時人気だったアーティストの作曲や編曲を数多く手がけました。

後藤次利は、何を隠そう日本におけるスラップ奏法の第一人者!

1975年に発表された「ティン・パン・アレー」のアルバム『キャラメル・ママ』の収録曲、『チョッパーズ・ブギ』で彼がスラップ奏法を披露。
そのことがきっかけで日本国内にスラップ奏法が一気に浸透。曲名から、日本国内ではスラップ奏法を「チョッパー奏法」とも呼ばれるようになったんです。

日本の有名スラッパー【2人目・青木智仁】

日本の有名スラッパー、2人目はベーシストの「青木智仁(あおきともひと)」です。

1957年生まれの青木智仁は、2006年6月12日、自身の誕生日に急性心不全のために死去。49歳の若さでした。

14歳からギターをはじめ、19歳の時に「YAMAHAベイエリアスペシャルコンテスト」でベーシスト賞を受賞。
その受賞をきっかけに、プロのベーシストとしての活動をはじめます。

「角松敏生」や「渡辺貞夫」「本田雅人」のバンドグループに参加し、世界各国をツアーで駆け巡る生活。

1989年にはファーストアルバム『DOUBLE FACE』、2000年にはセカンドアルバム『EXPERIENCE』を発売しています。

2005年度の『ADLIB』誌上の企画「好きなベーシスト」で1位を獲得していることからも、彼の絶大な人気はうかがい知れます。
その人気は今も変わらず、彼はスラッパーとして、現在も多くの若きベーシスト達に大きな影響を与えています。

日本の有名スラッパー【3人目・鳴瀬喜博】

日本の有名スラッパー、3人目はバンドグループ「カシオペア」のメンバーであり、ベーシストの「鳴瀬喜博(なるせよしひろ)」です。

1949年生まれの鳴瀬喜博は、今年で70歳。

現在は東京音楽大学の局員教授として、若き才能達の指導育成に力をいれています。

中学生のころに伝説のバンドグループ「ビートルズ」に憧れてギターを開始。
その後ベースに転向し、大学在学中にプロデビューを果たしました。

プロデビュー後は「カルメン・マキ&OZ」「バッドシーン」「スモーキー・メディスン」など、いくつかのバンドに加入。

それらの経験を経て、1976年にはロックバンド「金子マリ&バックスバニー」を結成しました。

さらにそれから、自身初のソロアルバム『MYTHTIQUE』の発売やバンドの解散などを経て、1990年に「カシオペア」に加入。
現在も現役で、音楽シーンで活躍しています。

鳴瀬喜博のニックネームは「なるちょ」。
長らくファンの間では""彼がチョッパー奏法(スラップ奏法)の第一人者だから、「なるちょ」と呼ばれるようになった"と信じられてきました。
実際のところは、日本でチョッパー奏法が広まる前からのニックネームだということで、この説は間違っているのですが、それほど彼がスラッパーとして認められているという証拠となるエピソードです。

ビル・ディッキンスレベルの高速スラップに挑戦!

『ビル・ディッキンスレベルの高速スラップに挑戦!』なんてとんでもないことを書きましたが、私達一般人だって、練習をすれば高速スラップをマスターすることが出来ます。

とはいえ、やはりビル・ディッキンスレベルは無謀かも…。

まずは、『素人でそのレベルの高速スラップ出来るの?!』と驚かれる、周囲と差が付くレベルの高速スラップをマスターしましょう!

高速スラップをマスターするために大事なこと

ビル・ディッキンスレベルの高速スラップまでとはいかなくても、周囲から尊敬のまなざしで見られるレベルの高速スラップならば、私達でもマスター可能です。

高速スラップは、ただやみくもに練習しても手や肩を痛めるだけ。上達はしません。
しかしちょっとしたコツを知って実践すれば、確実に身につけることが出来る奏法でもあります。

今から【高速スラップをマスターするために大事なこと】を2つ紹介します。
高速スラップをマスターするうえで、どれも大事なことです。この2つのことを常に頭の片隅に置いておきながら、ビル・ディッキンスを目指して練習していきましょう。

高速スラップをマスターするために大事なこと【その1. 指を確実に当てる】

高速スラップをマスターするために大事なこと、1つ目は「指を弦に確実に当てる」ことです。

「それって当たり前のことだろう!」と怒りの声が聞こえてきそうですが、実はこの当たり前のことを出来ていない人が多いんです。

"高速スラップ"となると力んでしまい、ついついスピードばかりに意識が向いてしまいます。
その結果、「指を弦に確実に当てる」ことがおろそかになってしまい、音がブレてダサい演奏に。

「なんか格好がつかない」「音がブレる」などの悩みを抱えている人は、初心に戻って指を弦に確実に当てる練習からはじめてみましょう。

早く上達したい気持ちは分かりますが、基礎をしっかりとマスターすることが上達への1番の近道です!

高速スラップをマスターするために大事なこと【その2. 左手のミュートをマスターする】

高速スラップをマスターするために大事なこと、2つ目は「左手のミュートをマスターする」ことです。

高速スラップは、演奏姿も音もとてもかっこいい奏法ですが、その分とてもハード。
体力も使うし気力も使うし、意識していないとすぐに音が乱れたり雑音が入ってしまったりします。

さらに通常の「ピッキング・フィンガリング」と比較すると、弦が大きく振動することも雑音の原因に。
弦が大きく振動するということは、共振しやすくなります。そうすると関係のない弦まで揺れ、ノイズが発生するんです。

そこで高速スラップの際はいつも以上にミュートを意識しなければいけなくなるのですが、先ほども書いたように高速スラップは体力も使うし気力も使います。

さらにスラップは右手でミュートすることが出来ない!

それなので、左手のミュートが必須となってきます。
左手のミュートは慣れないうちは難しく感じますが、それでもかっこいい高速スラップには欠かせない技術。
しっかりと左手でもミュート出来るようになっておきましょう。

ビル・ディッキンスの神業高速スラップをもっと広めよう

以上、長々とビル・ディッキンス愛について語ってきましたが、いかがでしたでしょうか?

本当はもっともっと語りたいことがあったのですが、これ以上文字数を増やすと怒られそうなので…。

日本では"知る人ぞ知る!"という人物で、インターネットで調べてもビル・ディッキンスの情報はあまり出てきません。
彼について知りたい場合は、彼の公式サイト(もちろん英語)をチェックするのが一番なのですが、これだといつまで経っても日本で彼のかっこいい姿が広まらない!

そこで今回は、彼のことが少しでも多くの人に知ってもらえるといいなと思い、この記事を書きました。

多くのベーシストに影響を与えているビル・ディッキンス。

今後も彼に影響されて、ベーシストの道に進む人は多いと思います。
そんな未知なる若き才能のためにも、もっとビル・ディッキンスの神業高速スラップが日本で広まってくれることを願っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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